Egretta 開発ストーリー 1

小さくても
我が社らしいものづくりを行う
メーカーになろうと考えました

オオアサ電子という会社について
私たちはものづくりの企業ではありますが、
「人」でできている会社である

私たちは「人」でできている会社です。突然こんなことを言ったら驚きますよね(笑)。我が社は音響機器を始めとして、液晶パネルや光学製品などを製造する「ものづくり」の会社です。その「ものづくり」はどうやってなされるか。結局は「人」なんです。

弊社は昭和58年に創業し、それからすぐに数億円以上もする機械を導入したり、オフィスコンピューターシステム投資に4,000万円かけたりと、機械やシステムに多額の投資をしたこともあります。いずれも当時の会社の規模からすれば非常に高額な出費です。しかし導入してみてわかったのは、それらはあくまでも道具に過ぎず、最終的に作るのは「人」である、ということです。ですから私たちはものづくりの企業ではありますが、「人」でできている会社である、という言い方をしています。

音響機器の製造開発を始めた理由
我が社の「人」を活かした新たな商品が生み出せないか

我が社はそれまで液晶の生産を主要事業にしていました。ところが突如、注文の九割以上が海外にシフトされ、国内でものづくりを行う我が社は苦境に立たされました。当時は廃業か業種転換かの選択に追い込まれました。周囲からは人員整理を勧められたことすらありました。しかし我が社にとって「人」は最も大事な資産です。安易な解雇は絶対にしたくないし、解雇した人たちの技術は二度と戻ってこない。

そこで我が社の「人」を活かした新たな商品が生み出せないかと考え、浮かんだのが「我が社の固有技術を生かして自立する」ということでした。もともと20年前から液晶以外にOEMでの音響機器の製造経験は豊富でしたし、ちょうどその時期に東京で渡辺(現シニアエンジニア)との出会いもありました。下請け・受託のみに頼るのではなく、小さくても我が社らしいものづくりを行うメーカーになろうと考えました。

開発しようとした音響機器について
ショールームはわざと普通の部屋のような環境に

「無指向性」が第一です。無指向性のスピーカーは一方向に音を放つのではなく、部屋全体に自然に広がります。そのため「どこから音が出ているかわからない」といわれるほど、自然な音が広がってその空間が音に包まれます。非常に心地よく、自然な音が特徴です。また、どちらかというと日本では無指向性はあまり好まれていませんでした。無指向性のスピーカーを手頃な価格で作るメーカーも少ないため、ぜひ私たちが実現したいと考えました。

さらに私たちはデザイン、特にインテリア性にこだわりました。利用される方の多くは、スピーカーをオーディオルームのみならず、リビングや和室、寝室などにも設置します。その際、高性能であるというだけでなく、インテリアとして調和するデザインであることも同時に求められていることがわかりました。

そのためどんなインテリアとも調和するよう、デザインも音質と同じくらいにこだわって開発しました。だからこそ、ショールームもひと工夫しています。TS1000 の発売時、その音を実際に体感していただこうと、本社近くにショールームを設置しました。その際、あえて内装を一般的な家のようにしました。特別な音響の、特別な環境でのみよい音が聞こえても意味がありません。ごく普通のリビングでもこんなにいい音になるんです、ということをお伝えするため、わざと普通の部屋のような環境にしました。

TS1000の製造でのこだわり
近隣の中小企業の協力があったからこそ

メイド・イン・ジャパンであることです。海外で生産すれば低コストになるのかもしれませんが、高い品質を実現するため、あえて日本生産にこだわりました。これは我が社の努力だけでなく、部品の調達などで近隣の中小企業の協力があったからこそです。鋳造会社にお勤めの方から「この鋳造がよくできましたね、とてもウチでは無理です」と言われることもあります(笑)。さらにメイド・イン・ジャパンとしての良さを表現するため、素材にもこだわりました。そこで選んだのが漆喰です。漆喰の白さはこれまでのスピーカーにはない色ですし、インテリアにも非常に調和する自然素材です。日本らしさを表現し、日本の家屋とも調和するデザインになったと自負しています。

Egretta(エグレッタ)の名前の由来
社員が「社長、外を見てください!」と!

エグレッタとはイタリア語で白鷺という意味です。白くすっくと立った姿が白鷺を連想させるのでこう名づけました。また、イタリアの家具の博覧会であるミラノサローネにも出せるくらいのデザインと品質を実現するという意味も込めて、イタリア語で白鷺 = エグレッタとしました。これにはさらにエピソードがあります。デザイナーと打ち合わせをしてエグレッタという名前にしようと決定し、本社に帰ったときのことです。社員に「スピーカーの名前をエグレッタにしたよ」と伝えたまさにその瞬間です。社員が「社長、外を見てください!」と言うのでどうしたのかと窓から外を見ました。すると偶然にも白鷺がいたのです!本社から白鷺が見えたのはそのときが初めてでした。運命を感じましたね。

製造過程での苦労
業務が変わっても「人」が作る、という根幹は代わりません

それはもう苦労の連続でした。そもそも我が社は企業からの受託を受けて、その仕様や設計に合わせて製造をしていた企業です。自社でゼロからオリジナルの製品を開発するという経験がありません。足りないものだらけで、あるものより無いものの方が多かったように思います。そこで我が社の「人」の出番です。初めてのことや慣れないことも多かったと思いますが、業務が変わっても「人」が作る、という根幹は代わりません。

さらに部品の調達などでは周囲の中小企業の協力もありました。もちろん完成までにはいくつもトラブルがありました。音質については、私が何度もNGを出したので、技術者は大変だったと思います(笑)。サンプルでは完璧だったのにいざ生産すると音質が違ったこともありました。お客様の手元にそのような製品が渡っては絶対にいけないので、何度も何度も作業をやり直しました。また、企業向けに販売するのと違い、一般のお客様は想定外の取り扱いをすることもあります。テスト生産品でお客様にデモ音源を聞いていただこうとしたら音が流れず、冷や汗をかいたこともありました。そうした苦労の連続でしたね。

発売後の反響
日本のものづくりに少しでも貢献できればうれしいです

非常に多くの反響をいただき、幸いにも高評価を得ています。エグレッタの「ファン」の方が増えているのはうれしいですね。先日は広島の方が「京都のお店でエグレッタを見ましたよ!」とわざわざ写真を送ってくださったほどです。周囲の中小企業からは自分たちの刺激になった、励みになった、との声もいただきました。「私たちも頑張らないといけないと思いました」とまで言ってくださったこともあります。日本のものづくりに少しでも貢献できればうれしいですね。その姿勢を評価していただいたのか、テレビや新聞などからも取材のご依頼を頂くことも増えています。

今後の目標
「グローバルな田舎っぺ企業」になりたい

より多くの方に我が社の製品を知って利用していただきたいと思っています。さらに、「グローバルな田舎っぺ企業」になりたいと思っています(笑)。

私たちはあくまでも広島県の山間部に本社を置き続け、都市に移すつもりはありません。確かに田舎かもしれませんが、世界中の人から、この場所でこんなに素晴らしいものを作っているんだと思ってもらいたいですね。また、社員にもそれを誇りに思ってもらいたいです。そのためにはしっかりとしたものづくり、そして人づくりが大切です。田舎だろうとグローバルだろうと、我が社のその基本姿勢は代わりません。

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